囲炉裏には自然に人が集まってくる。
穏やかに燃える炭火を見つめながら、
ぐつぐつと煮える鍋をつつき、
今日あった出来事をつまみに、
酒を酌み交わし合う。
ひと昔は普通にあった囲炉裏のある家。
古きよき日本の暮らしを、日常に。

「欲しいものは持たない。必要なものだけ持つ」。このシンプルな考え方は「和の暮らし」の基本です。ほんの数十年前までの日本の暮らしには、家具や家電品などの「物」はほとんどありませんでした。実に素朴な暮らし方だったのです。それに比べて現代はテレビやオーディオ、パソコン等の「物」に囲まれた生活です。確かに便利にはなりましたが、それが豊かな暮らしなのでしょうか。この家はそのような生活を見直そうという発想から設計しました。「物」を置かないことから、より豊かな生活が見つかるかもしれません。

吹抜にある丸太の大きな梁組みは歌舞伎の「見得を切る」ところです。建築にも同じように「見得を切る」ところがあってもいいのだと思っています。交互に組まれ重なった梁は囲炉裏から立ち登る煙によって燻され年月と共に深い味わいの表情を出してくれます。
1階床面積/83.90m2(25.4坪)
2階床面積/15.50m2(4.7坪)
延床面積/109.40m2(30.1坪)
